CSR開示内容の決定要因とは?
”Determinants of Corporate Social Responsibility(CSR) Disclosure in Developed and DevelopingCountries: A Literature ReviewWaris Ali,1*Jedrzej George Frynas2and Zeeshan Mahmood31Business Administration, Bahauddin Zakariya University Sub-Campus Sahiwal, Farid Town, Sahiwal, Pakistan2Middlesex University Business School, London, United Kingdom3Bahauddin Zakariya University, Department of Commerce, Multan, Pakistan)は、CSR活動開示内容に関する76もの実証研究をメタレビューした力作である。
そこでは、CSR開示内容は企業のサイズや業界、利益水準やコーポレートガバナンス・メカニズムに大きな影響を受けることが示されている。また政治・社会・文化も開示内容に影響を与えることが指摘されている。そして発展途上国では外国人投資家や国際メディアの影響が強いのに対し、先進国では国内のパワフルなステークホルダーによる影響が強いことが示されている。
そらそうだろうという気がする内容である。CSRは基本的に、社会の企業に対する要望に応える活動であり、社会問題が国や文化圏ごとに違ううえ、ステークホルダーのタイプも国ごとに変わってくることだろう。
またCSRは往々にして、これをしているから儲かっているというより、儲かってるからこれをする余裕があるという側面もあるので、企業の売り上げや利益水準も当然のことながら、影響してくることだろう。
なお、ARTICLEThe application of corporate social responsibility (CSR) actionsfor mitigation of environmental, social, corporate governance(ESG) and reputational risk in integrated reportsMariusz Karwowski| Monika Raulinajtys-Grzybek によると、企業の統合レポートはレピュテーションリスク、ESGリスクを企業が認識しており、そのリスク対策にCSR活動が行われていることを示している。