世界標準のcsrのローカル浸透に際する社内政治について
本日の、誰得csrコラムは、
Change above the Glass Ceiling: Corporate Social Responsibility and Gender Diversity in Japanese Firms
Eunmi Mun1 and Jiwook Jung
からである。
Eunmi Mun, Jiwook Jungは、外国人機関投資家の保有比率が高まれば、女性取締役及び、女性マネジャーが増加することを示した。しかしながら、マネジャー以下や新入社員レベルでは、女性の比率は引き続き低いことを示した。また、取り締まり役会にcsr担当やIR担当がいれば、同様の傾向が強まり、その度合いは外国人持株比率が高まるほど、上昇することが示されている。
このことから、csr担当者やIR担当者は外国の機関投資家の要望に応えて助成比率を高めようとするが、従来のやり方を崩せない人事部などとの衝突を最小化すべく、外国人投資家から見えやすいポジションの女性を増やすが、それ以外は変えないことが多いという論旨である。
企業のあり方や企業の社会的責任に関するグローバルスタンダードがローカル市場に浸透する際、それが形を変えて、投資家対策に変貌していく現象が観察されているのだ。